

それぞれ通常版、大ダメージ版のキメポーズ。
KOF2001でのみ登場の、MAX専用超必殺技。コマンド移動投げ。
相手に駆け寄り、一瞬のうちに連続攻撃(画面全体がブラックアウトし、技をかけられた相手がいた部分に攻撃エフェクトが連続する)を浴びせかけた後、ポーズを極める。
最後のキメポーズは、こちらを向いてWピースサインを決めるものと、こちらに背中を向けて仁王立ちするものとの二種類があり、それぞれでダメージが大幅に違う(仁王立ちするものは1/16の確率で発生し、ダメージが1.6倍に跳ね上がる)。
ボイスは「ひっさ〜つ!」。通常版、大ダメージ版、ともに12ヒット。
レバー入力ではなくボタン連続押し(A・A・→・B・C)という特殊なコマンド故か、キャンセルから連続技に組み込みやすく、特に攻撃モーションの長い「旋回脚」や、「芯!ちょうアッパー」の一段目からつなげやすい。
ちなみに、大ダメージ版は1/16(6.25%)の割合で発生するとのことだが、実際にPS2版のプラクティスで、タクマを相手に「ユリちょう燕舞」を10年かけて14,444回しかけてみたところ、大ダメージ版は1053回(7.29%)発生した。1%の上積みはある意味、親孝行だろうか。

通常版のダメージ。

大ダメージ版のダメージ。
画面がブラックアウトしているときにどんな攻撃をしているかは不明だが、「愛用のフライパンで相手を滅多打ちにしている」と言う説アリ。海外版での正式名称は「Shin Yuri Satsu」だが、漢字での表記は不明。英語版のファンwikiではなぜか「Yuri Super Swallow Dance」と日本名直訳で紹介されている。
元ネタは勿論、「ストリートファイターZERO」に登場する「豪鬼」と「殺意の波動」の代名詞ともいえるスーパーコンボ「瞬獄殺」。コマンド、エフェクト、大ダメージ版のキメポーズ、海外版の技名など、ほぼ「瞬獄殺」そのままであり、ユリの「ひっさ〜つ」というボイスも豪鬼の「滅殺!」というボイスにひっかけてある。
(ただし「瞬獄殺」の初期の英語名は「Raging Demon」である)
さらに元を辿れば「瞬獄殺」という技は、豪鬼のデビュー作となった「スーパーストリートファイター2X」が出典。CPU戦のラスボス・ベガまで到達した際、隠しボスであった豪鬼が突然出現、ベガを一瞬で倒し、試合がVSベガからVS豪鬼に変わる、という演出があった。
豪鬼がプレイヤーキャラクターとなった際に、そのベガを瞬殺する演出を必殺技として再現したのが「瞬獄殺」である。ほぼ同時期にアーケードで稼動を始めた「ストリートファイターZERO」と「ストリートファイター ザ・ムービー」の両方から使用可能だが、「ザ・ムービー」は開発会社がカプコンではないせいか(アメリカのインクレディブルテクノロジーズ)いわゆる「乱舞技」となっている。
ただし「弱P・弱P・→・弱K・強P」という特殊なコマンドは、「ヴァンパイア」に登場するモリガンの「ダークネス・イリュージョン」のほうが早かったため、「瞬獄殺」という技名が発表される前は「豪鬼ネス・イリュージョン」などとも呼ばれた。
2014年の実写映画「ストリートファイター 暗殺拳」では、豪鬼が殺意の波動を克服し、この瞬獄殺に覚醒する瞬間を描いているが、師・轟鉄(※1)の「滅・波動拳」にカウンターで合わせるというエグい使い方と(ゲーム同様、長い無敵時間があるようだ)、なによりも食らった轟鉄の無残な死に様など、非常にインパクトあるシーンとなっている。
(よく見ると、直後のシーンでは空の雲が「天」のかたちに割れている)
※1
リュウとケンの師匠の師匠。波動拳と昇竜拳の生みの親。
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豪鬼は「ストリートファイター2X」以外のすべての作品で「瞬獄殺」を使う。総じてかなり強烈な性能を誇り、「CAPCOM vs.SNK」では異常とも思えるほど長い無敵時間があるうえに、レシオ1を体力満タンから即死させるほどの威力がある。また「MARVEL VS.CAPCOM 3」では一瞬で画面端から端まで到達するとてつもないスピードを誇り、かえって対空には使いにくい(速すぎて相手の着地タイミングに合わせにくい)という事態まで起こった。
「サイバーボッツ」にヴァリアント・アーマー(巨大ロボ)「零豪鬼」として登場した際にも使用できるが、「ザ・ムービー」と同じく普通の乱舞技となっている。
「ストリートファイター2」シリーズでは「ウルトラストリートファイター2」でのみ使用可能。豪鬼、真豪鬼のいずれでも使えるが、やはり真豪鬼の方がダッシュスピードがかなり速い。
「スーパーストリートファイター4 アーケードエディション」に登場する豪鬼の最終形態「狂オシキ鬼」の使う「真・瞬獄殺」が、この技の完成形と思われる。「ウルトラストリートファイターIV」の狂オシキ鬼に「空中瞬獄殺」があるが、竜巻斬空脚を吸い込むなど、投げ間合いが異様に広い。
この技に似た技を使うカプコンキャラクターは多く、殺意の波動に支配されたリュウはまったく同じ技を使うほか、「ストリートファイターEX」シリーズでは春日野さくら(春獄殺)、カイリ(凶邪烈舞)なども似た技を使う。また「CAPCOM vs.SNK2」では、殺意の波動を手に入れようとして逆に支配されたルガール(ゴッドルガール)も「ラストジャッジメント」として使用する。
また殺意リュウの最終形態であると思われる「ストリートファイター5」の影ナル者は「滅瞬獄殺」を使用するが、これは相手の周囲を瞬時に一周しながら連続攻撃を加える技となっている。
その他のメーカーも含めると、シャドウレディ(MARVEL VS.CAPCOM)の「ファイナルミッション」、イギー(ジョジョの奇妙な冒険)の「サンドストーム」、ダン(SVCカオス)の「男道」、ダン(ポケットファイター)の「殉哭殺」、ワリオ(大乱闘スマッシュブラザーズSP)の「ワリオマン」、ハヤテ(MARVEL VS.CAPCOM2)の「裏羅刹斬」、ガイ(スーパーストリートファイター4)の「武神無双蓮華」など、似たような技の使い手は多い。
(意外なところでは、「X-MEN vs.ストリートファイター」のローグが、豪鬼にパワードレインをすることで使えるようになる)。
また有名な技であるせいかジャンル外の漫画などでパロディにされることもあり、「蒼き鋼のアルペジオ」のスピンオフ漫画「ソルティ・ロード」(TALI)一巻では潜水艦のメンタルモデル402が同居人のズイカクにこの技で迫った(ただし、ズイカクにはかわされた)。
「ユリちょう燕舞」の名前の元ネタは、恐らく「龍虎の拳2」にのみ登場した連続技「極限流燕舞脚」。
極限流燕舞脚、ちょう!龍虎乱舞、龍虎乱舞EX