(直筆サイン)
誰もその過去を知ることが無い、男装のムエタイ戦士(※1)。
※1
スペイン語版Wikipediaには以下のようなエピソードがある。
「キングは幼いころ、強いムエタイ戦士だったが、女性のため大会に出場できなかった。そのため、翌年にはTシャツを着てむりやり男として大会に出場し、決勝まで進んだ。しかし対戦相手のムエタイ王者にTシャツを奪われ女性であることが判明したため、失格となってしまう。この事件は長い間キングのトラウマとなった」
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サウスタウンに現れた10代後半当時は女性であることを隠して男性として振る舞い、不良たちを集めて悪事に手を染め、さながら無法グループと化していたが、同じくサウスタウンを根城とするジャック・ターナーのグループと衝突。ジャックとの勝負に敗れ、以降、その上位組織を束ねるMr.BIGの傘下として、レストラン「L'AMOR」のバウンサーとして働いていた。
だが、ユリ誘拐事件に絡みリョウ・サカザキに敗れ、組織を裏切ってユリの救出に一役買うことになる(※2)。
数ヶ月間行方をくらませて後、突如サウスタウンに舞い戻り、足の不自由な弟ジャンの手術費用を稼ぎ出すため、更に磨きをかけた足技を駆使し街角のストリート・ファイトで多額の賞金を巻き上げていた。
そして、ギース・ハワードの主催するキング・オブ・ファイターズにてリョウと再戦。リョウとロバートが費用を捻出した手術で弟の足が完治したことを知り、極限流一派と和解した(※3)。
※2
スペイン語版Wikipedia「リョウ・サカザキ」の項目には、キングがMr.BIGの配下になった理由の一つに「弟のジャンを組織に人質に取られていたため」という記述がある。
またタイ語版Wikipedia「」の項目には、「キングよりも先にMr.BIGがリョウに敗れており、BIGの命令でキングはリョウと闘うことになるが(つまりBIGの敵討ち)、キングはリョウの目的に賛同し、誘拐されたユリの探索に協力するつもりになる」との記述がある。
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※3
中国語版Wikipedia「坂崎亮」では、リョウがロバートにキングの弟の治療費とバーの経営資金を融資するように頼むが、その代わりキングが組織から抜けることをロバートが要求した、という記述がある。
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「龍虎の拳2」のED後は格闘の第一線から身を引くつもりで、イギリス・ロンドンでバー「イリュージョン」を経営しているが、「KOF'94」でユリと舞に泣きつかれて格闘家として復帰。若い世代の女性格闘家のお姉さん役として、また広い店内をバトルフィールドとして提供するプロモーターとして、今もKOFに関わっている。その後も頼りがいがあるせいか、ユリや不知火舞、ブルー・マリーなどに頼まれて出場する機会が非常に多い。
(サカザキ一家の都合で何度か「極限流チーム」から出場しているが、「女性格闘家チーム」からの出場は舞と並ぶ15回で、ユリ以下のメンバーにダブルスコアの大差をつけている)(※4)
※4
ただし、「KOFオールスター」に「スペシャルシグネチャー・キング」として参戦した際には、「女性格闘家リーダー」と同時に「名誉極限流のメンバー!?」というコアを所持している(させられている?)。「暗黒」状態の敵に与えるアクティブスキルのダメージが120%アップし、さらに攻撃命中時(ガードされた場合を含む)、30%の確率で対象に攻撃力の700%の追加ダメージを与える(クールタイム13秒)。
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誘拐されたところを助けられて以降、ユリからは相当になつかれており、女性として男性に混じって戦い続けるその「強さ」がユリに与えた衝撃や影響はかなり大きい。また兄のリョウとの仲を発展させようとタクマとともに色々と画策されているほか、「KOF13」ではついに「理想の結婚相手」にまで敬意がレベルアップしている。
リョウがずっと外で戦い、幼い頃から一人で家にいる時間が長かったユリには、姉のようなキングの存在感が頼もしくて仕方ないのだろう。
クールなキングにとって、若干天然の気があるユリはもっとも苦手なタイプのようにも思えるが、やはり無視はしきれないのか、他人には厳しい一面を見せることがあっても、ユリには押し切られたり、イジられたりする場面が多い。そのため、他人に厳しく身内に甘いと誤解されることもある。
フランス出身。「龍虎の拳1」の設定では幼少時にタイに居住していたことが分かっており(※5)、その時に「元」ムエタイチャンピオンに格闘技の素質を見込まれてムエタイを身に着けたようだが、サバット(※6)の技術も持っていることが分かっている(※7)。
※5
スペイン語版Wikipediaでは、「キングは幼いころ、弟と共にムエタイを学ぶためにタイに送られた」という記述があるが、具体的に誰が二人を送り出したのかは不明。
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※6
ブルボン朝のフランスで発祥した格闘技で、靴で蹴りつける技術に長ける。発祥当初は靴にナイフを仕込んで戦っていたようだ。「KOF ALLSTAR」の「サムライスピリッツ」コラボストーリーでは、覇王丸がキングの格闘技を「サバットといったか」と指摘しているが、覇王丸に知識があるとは思えないので、キングが自分で教えた可能性がある。
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※7
漫画「キング・オブ・ファイターズ'94外伝」(鷹岬諒)でジョー東が指摘している。
また「KOF2002UM」でジョーに対して、キング本人が「自分のムエタイは我流」と認めており、漫画「龍虎の拳2」(天獅子悦也)では、父の仕事の都合でタイにいた子供時代にムエタイの手ほどきを受けており、弟がフランスで生まれた時には、フランスでサバットを習っていたのではないか、と推理している。
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1957年4月8日生まれ。「龍虎の拳2」時、22歳。身長175cm、体重58kg(→59kg)。3サイズは86-58-85(→86-57-86)。(データは龍虎2→KOF13)。
スタッフが「龍虎の拳1」時点で描いた4コマ漫画によると、足の大きさは23.5cm。
常に男性的な凛々しい口調でしゃべるが、友人のユリや不知火舞の前では女言葉が出ることがある。ただし、バトルになるとどんな相手にも容赦しない。
格闘スタイルは「ムエタイ」「我流ムエタイ」だが、他のナックモエ(ムエタイ戦士)と違い肘や膝による攻撃はほとんどなく、ほぼキック技に特化している。「KOF15」では、ムエタイの定義についてジョー東と口論する場面があるが、キング自身は自分のムエタイが「我流」であることを認めている(そのうえでジョーのムエタイに疑問をぶつけている)。
「バトルスピリッツ 龍虎の拳」。最初から女性として登場。
「かたてまマンガ なりゆきクエスト」
「龍虎の拳1」の製作資料より。
「龍虎の拳」(天獅子悦也)
好きな音楽はジャズ。趣味はワイングラスのコレクション、ピアノ演奏。好物は野菜(ベジタリアンだが、ようやく肉も食べられるようになった)とワイン。好きなスポーツはビリヤード(※8)。
※8
フランス語版Wikipediaでは、「経験豊富なビリヤードのプレイヤーでもあり、プロの試合で活躍することもある」という記述がある。
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嫌いなものとして挙げているジャック・ターナーとは深い因縁があるが、ジャックは1995年の「クイズ キング・オブ・ファイターズ」以降はゲームに出る機会がなく、このキングのプロフィールにのみ名前が残り続けている。
一方でボクサーのミッキー・ロジャースとは「龍虎の拳1」の時からの「悪友」である。
弟のジャン、ペットのマロン(猫)以外、その家族構成は不明。「ザ・キング・オブ・ファイターズ'94」(真行寺たつや・著)では、「'94」の直前、一時期髪を伸ばし「シャロン」という名前でバーを経営していたが、これが本名なのか偽名なのかはわからない。
(このセミロングの髪型は、「龍虎の拳2」の企画段階で出ていたキングの容姿の没案のひとつである)
戦いの場には常に正装で赴くが、私服も兼ねているようである。
独立心が強く、「龍虎の拳2」のプロフィールでは恋愛対象としても尊敬の対象としても異性には興味を示していなかったが、リョウとの試合前デモで受け取りようによっては少しだけ照れているような様子を見せていた。
「KOF」シリーズでは「'98」でリョウが相手だと試合前に彼を少し気にして気合を入れるような仕草を見せ、「'99」〜「2003」ではリョウに女性らしい仕草で丁寧にお辞儀する(リョウは少し慌てている)など、彼に対しては他とは異なる反応を見せているので、この時点で気になる対象ではあったようある。
「KOF2000」以降、タクマとユリの策謀が効を奏してかリョウのことをさらに意識している描写があり、「KOF13」ではリョウの話題になると明らかに狼狽する。また極限流チームの優勝セレモニーには、チームと無関係なのにユリと共に表彰台に呼び出され極限流の面々とインタビューを受けているが、そこでもリョウとの関係をいじられて赤面している。
「KOF14」のvs.リョウの試合前デモでは、「ついてきてくれ」というリョウの言葉を盛大に勘違いして真っ赤になっており、「KOF15」でも不知火舞から「さっさとデートくらいしろ(意訳)」とせかされて否定しながらも赤面しており、もうすっかりプロポーズ待ち状態である。
また、「KOFオールスター」に「ハッピーバレンタイン・キング」として参戦したときのリョウが対象となる絆バフは「義理? 本命?」であり、まだ曖昧な状態だったが、後に「スペシャルシグネチャー・キング」として参戦した際には「愛情関係」というストレートな表現に変化する(※9)。
※9
「KOFオールスター」では、「'94」「'96」「'97」キングが、同じく「'94」「'96」「'97」の各リョウサ・カザキにむけて「気になる」という絆バフを持っており、恋心かどうかは不明だが気にはなる存在と認識していたらしいが、一方の「'97」リョウは「'97」キングに対して「鈍い」という絆バフがあり、むしろリョウの方が好感度が高かった可能性がある(この「鈍い」がどちらからどちらに向けたものか、解釈次第で微妙に事情が変わる)。
以降、「ハッピーバレンタイン」キングが一方通行だが「'97」リョウ・サカザキに対して「義理? 本命?」という微妙な乙女心を揺らせており、その次の「スペシャルシグネチャー」キングとリョウ「XIV」で、両想いで「愛情関係」を持つに至っている。
また、スペイン語版Wikipediaでは、「龍虎の拳外伝」の時点で、リョウがキングに好意を寄せている、という記述がある。
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プレイステーションのADV「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」では「十種神宝」の一つ「品物之比礼(※10)」を司る存在とされている。
※10
神話の時代から伝わる神器。天璽瑞宝十種の一つで、あらゆる物を浄化することができるとされる「布」。この布に病人や死人を寝かせ、同じく十種神宝の「死辺玉」と合わせて使うことで、蘇生術を施す。
また、ものの下に敷いて浄化したり、物を隠すこともできたようである。人が使う場合は基本的に一条の紐状にして首から下げるようだ。
「比礼」とは女性が両肩に後ろから掛けて前に垂らす一幅または二幅仕立ての細長くて薄い、白い絹布。肩巾、領巾ともいう。
島根県大田市の物部神社では、「品々物比禮」の撫で札を扱っており、身体の痛むところや気になるところをこの撫で札で撫でたあと息を吹きかけると、悪いものが御札にうつるそうである。
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93年のアニメではMr.BIGの部下の一人として登場したが、他のメンバーが人格破綻者のジョン・クローリーや脳筋一直線のジャック・ターナーだけあって、チーム唯一のブレーンとして活躍。レイの部屋の闖入者の正体を即座に割り出し、リョウの弱点として誰よりも先にユリの存在に気づいている。
94年の漫画「龍虎の拳」(ゴッセージ)では、闇の組織「MASK」の幹部として教会地下の巨大カジノを任されており、自身もマグマ溢れる火口の真上に渡した一本のロープ上で戦う危険なブリッジバトルを得意とする。
2017年のCGアニメ「KOF DESTINY」では第6話から登場。しかし顔が不細工な上に、(6話では)とても金銭に汚い性格になっているので、ファンは見ないほうがいい。「I'm so happy」じゃねーよ、とブン殴りたくなる。20話では弟の高額な手術費用の捻出の為に用心棒をしている過去が語られているが、描写ではターゲットにケンカを一方的にしかけ、倒してはトランプのキングのカードを置いて去っている。それはヒットマンの仕事であって用心棒ではない。
格闘ゲームにおける「脱衣KO」の元祖であり、初期「龍虎」「KOF」のメディアミックスでは、どの漫画に出てもたいてい一回は脱がされている(当初は「男装の女性」であることをあらわすイベントだった)。
なお、2023年の「KOFサバイバルシティ」では、キングのインナーが「ブラジャー」ではなく「さらし」であることが示唆されている。パラレルワールドのできごとだが、気分の変化でもあったのだろうか。
「龍虎の拳2」のキングの立ち弱Kが、攻撃判定発生の直前に相手の攻撃をガードする機能が一瞬だけ出現する「ガードポイント発生攻撃」の元祖だが、「KOF14」「KOF15」では、立ち弱Kで相手の飛び道具をかき消すことができる、という機能で復活している。
女性格闘家チームの中でも有数の実力者のため、KOFが漫画化されるとチームのキーマンになることも多い。対戦相手に焦点が当たったかたちではあるが、前述の「キング・オブ・ファイターズ'94外伝」でのvs.へヴィ・D!戦は、KOF漫画史上でも隠れた名勝負である。
KOFにおける「女性格闘家チーム」の礎を築き、今は数多くのプティスールを引き連れるグラン・スール。「女性格闘家チーム」からの出場は、不知火舞に次いで多い。上の解説は、自分でもちょっと無理があるかな、とか思ったり。
「KOF」の初期は、個人的に「フランス出身なのに、なんでイギリスでバーをやってるの?」とか「なんでリョウといい関係(?)になっちゃってるの?」とか、数多いKOFキャラクターの中でも、原作との設定上のギャップが激しいキャラ・ナンバーワンだったが、慣れとは恐ろしいもので、最近では「女らしいところも出てきたな」などと納得している自分に驚いている有様である。
(ただ「KOF2000」が出た当時だったか、「龍虎」開発スタッフの一人が、「キングはリョウをライバルとしてしか見ていません!」と力説していたのが、印象に残っている。そりゃあ、娘同然のキャラクターの設定を好き勝手にいじられたら、普通いい気はしないだろう)。
ちなみに「龍虎の拳2」の攻略ビデオではユリのことを「ユリちゃん」と呼んでいるが、KOFでは「ユリ」と呼び捨て。確実に仲はよくなっているようだが、キングとユリの場合は「仲の良さ」というより一種の「因縁」に近いかもしれない。
家族関係については不明な点が多いが(弟のジャンもファミリーネームは不明)、漫画「龍虎の拳2」(天獅子悦也/新声社)では、巻末の考察資料の中で、「バンコク(タイ)に流れる噂」と前置きして、キングの父はフランスの軍人であり、大戦後フランス軍がインドシナから撤退してからタイの駐在武官を務めていた、との説を唱えている(キングは外交官の娘ということになる)。
キングはタマサート大学(タンマサート大学)出身のタイ人家庭教師に教えを受け、同時にムエタイの手ほどきをタイで受けた。しかしキングが10歳の時に弟がフランスで生まれているので、タイにはあまり長く滞在していたわけではなく、16歳で両親を失うまではヨーロッパにいたことが判明している、としている。
また、新声社の「KOF'95」の攻略ムックでは、さらに衝撃的な仮説が立てられている。
曰く、同じようなエフェクトの必殺技を持つキング(トラップショット)、ジョー東(黄金のカカト)、ハイデルン(ムーンスラッシュ)の三人は、実は親子なのである。
それぞれの本名は、長女キング=「クララ・ベノムストライク」、長男ジョー・東=ジャン=「ジャン・ヒガシ・ベノムストライク」、父親ハイデルン=「ハイデルン・ベノムストライク」。
……「衝撃的」にもほどがあるが、この仮説が真実の一端を捉えているのなら、キングの弟ジャン(ジョー・東)の足の怪我が、父親ハイデルンと家族がルガール・バーンシュタインによって襲撃されたときに負った可能性が高い。また、詳細がまったく不明なキングの母親(サンドラ・ベノムストライク)の素性についても、想像の翼が広がっていきそうだ。
担当声優は、
生駒治美氏(ゲームすべて)、
勝生真沙子氏(アニメ「バトルスピリッツ 龍虎の拳」)、
冬馬由美氏(ドラマCD「KOF'94」)、
シャロン・ベッカー氏(海外版OVA「BattleSpilits Art of Fighting」)、
駱妍倩氏(アニメ「KING OF FIGHTERS DESTINY(中国語版)」)
李梓氏(アニメ「KING OF FIGHTERS DESTINY(モーションピクチャー)」)
容姿のモデルはアメリカのアクション俳優シンシア・ロスロックという説もある。
MASK、
Mr.BIG、
イリュージョン、
援護攻撃、
極限流空手、
極限流チーム、
四条雛子、
ジャック・ターナー、
ジャン、
シャングリラ長崎、
女性格闘家チーム、
不知火舞、
シリウスの瞳、
スペシャルシグネチャーVol.4、
タクマ・サカザキ、
脱衣KO、
藤堂香澄、
友達、
ブラジャー、
マリア、
名誉極限流のメンバー!?、
リョウ子・サカザキ、
リョウ・サカザキ