THE KING OF FIGHTERS '95

発売機種発売日発売元価格
業務用(MVS)1995年7月25日発売SNK88000円
家庭用

メイン・ストーリー

 西暦1995年。
 またもや世界中の強豪達の元に「キング・オブ・ファイターズ’95」の招待状が届いた。
 差出人は「R」!!  果たして「R」とは空母と共に自爆したはずのルガールなのだろうか? 
 今回の大会参加者の中には、前回のスポーツチームを敗って「ビリー・八神・如月」チームが、新たに出場を決定している。
 果たして、ビリーの陰謀とは、如月の野望とは、そして、草薙京の宿敵である八神庵の目的は!? 
 新たな挑戦者を加え、スポーツチームを除いた前大会の参加者を巻き込み、巨大な陰謀は「キング・オブ・ファイターズ'95」を中心に渦巻き始めていた。

ユリ・サカザキ チームストーリー

.キングは自分が経営しているバーの後片付けをしていた。ふと、時計を見上げたキングはため息混じりにつぶやいた。
キング「そろそろ来る頃ね」
.そう思った瞬間に、元気にユリが店に飛び込んできた。
ユリ「こんにちはぁ!  キングさぁん!」
.キングはその元気に圧倒されたように、カウンターへ寄りかかるような姿勢で額に手をあてた。
キング「はぁ…。やっぱりねぇ…」
ユリ「あれぇ… 驚かしてやろうと思ってせっかく何も言わずにイギリスまで来たのに、何で驚かないの?」
キング「あのねぇ…」
.その時玄関が開いて舞が飛び込んできた。
「キングさん!  こんにちはー!!」
ユリ「あ〜舞さんだぁ!  こんにちは」
「あっ、ユリちゃん!  ひさしぶりぃ」
キング「は〜あ…。あなたたちの行動パターンて、全て予想通りね」
「あら、お見通しだったの…」
キング「私の所にもこれが来ていたからね…」
.そう言ってキングはふところからキング・オブ・ファイターズの招待状を取り出した。
ユリ「なぁんだ。なら話は早いわ。また一緒にチームを組みましょう」
キング「う〜ん…」
.すぐに承諾してもらえると思っていたユリだけに、この生返事には困惑してしまった。
「どうしたの?  キングさん。まさか…」
キング「残念だけど… 私、今回はやめておこうと思っているの」
ユリ「え〜!  な、何でなんですか!?  キングさんがいないと私たち…」
「そうよ!  この3人以外のメンバーなんて考えられないわ!」
ユリ「理由を聞かせて下さい!  理由を!」
.キングはしばらくうつむいているが、そのうちに肩を震わせて笑い出す。
キング「ク、ク、ク、アッハッハッハッ!!」
ユリ・舞「…?」
キング「冗談だよ」
ユリ「あ〜!!」
「もう〜!  ひどいなぁ、だますなんて…」
キング「ごめん、ごめん。2人を見てるとつい…」
「で、結局のところはどうなの?」
キング「一度あなたたちに火を付けられちゃったからね。この1年が待ち遠しかったくらいさ」
ユリ「やったぁ!  よぉ〜し、見てろよぉ、お兄ちゃんたち」
「これで、再び最強女性格闘家チームの登場ね!」
キング「2人とも、出場するからにはねらうは当然優勝よ!  いいわね」
ユリ・舞「ええ!!」

コラム

 大ヒットした前作の人気を受けて登場したKOF衝撃の二作目。今でも根強い人気を誇る八神庵の初登場となったタイトルです。
 チームエディットが可能になり、カウンター攻撃が追加されたりと、新たにバランス調整がなされてKOFの人気を不動のものとしました。
 ユリ的には、虎煌拳や砕破の隙が減り、更に新必殺技・ユリちょうアッパーの追加でますます安定した戦い方ができるようになりました。
 個人的にはKOFシリーズの勝利デモ絵の中では、本作が一番きれいで好きだったりします。ちなみに必殺技でトドメを差すことにより見られる、ユリとキングの「脱衣KO」は、本作が最後となりました。
('96以降、やられポーズの種類が大幅に増えたため、そのそれぞれに「脱衣」バージョンが用意する余裕がなかったそうです)
(のち、家庭用では2004年の「KOF'94Re-bout」、2010年の「KOF13」で復活)

 本作のセガサターン版は、長大なロード時間を短縮するための拡張システム「ツインアドバンスドROMシステム」を採用しており、ゲーム用CDと一緒に本体のカートリッジスロットに差し込むための専用ROMが付属していました。
 これは後に発売された1M拡張RAM、4M拡張RAMとは別物で、「KOF'95」でしか使えません。サターン版がPS版よりも高価なのはこのためです。
 他に「ツインアドバンスドROMシステム」を採用したサターンソフトは「ウルトラマン 光の巨人伝説」のみ。

 開発者インタビューによると、じつはこの「'95」か「'96」の時点で「サムライスピリッツ」からの出演が検討されており、覇王丸+ナコルル+ガルフォードを1チームとしてドット絵も一部完成し、キャラの動きに関するサムスピ開発チームのチェックも済んでいたそうです。
 しかし、「kOF'95」などタイトルに年号をつけてしまった結果、「一年に一本は必ず出さなきゃ行けない」という「呪縛」にとらわれてしまい(笑)、実質半年ほどという短い開発期間の中ではどうしても開発できるキャラクター数に限度があって泣く泣く見送られてしまったのだとか。
 なお余談から余談に継ぎますが、同年代に発売されたセガの「バーチャファイター」を見て衝撃を受け、「サムライスピリッツ」開発チーム(のトップ)の志が高くなっていき……後の3D「サムライ」シリーズの惨状はあえてここには書きませんが、まぁ、ああなってしまったのだそうです。

必殺技コマンド

特殊技コマンド
三角飛びジャンプ中、画面端でC
燕翼 + D
必殺技コマンド
虎煌拳 + A or C
砕破 + A or C
雷煌拳 + B or D
百烈びんた(コマンド投げ)(接近して) + A
百烈びんた(移動投げ) + C
ユリちょうアッパー + A or C
覇王翔吼拳 + A or C
超必殺技コマンド
飛燕鳳凰脚 + BC

勝利メッセージ

怒チーム「軍人さん達、相変わらずだね! もっと明るく行こうよ!」
サイコソルジャーチーム「よく頑張った方じゃない! 超能力も捨てたモンじゃないわね!」
主人公チーム「君達! 人気者になったからって油断は禁物だよ!」
キムチーム「正義って、ホントに正義のチームなの! とてもそうは見えないよ!」
餓狼伝説チーム「さっすがぁ! でも、今回は実力を発揮できなかったみたいね!」
龍虎の拳チーム「これで私も極限流の免許皆伝でしょ! ねっ、みんな!」
女性格闘家チーム「本物の私を倒さない限り、極限流の名は手に入らないわよ!」
ライバルチーム「そんなに、ひねくれなくっても、いい事もきっとあるって!」
エディットチーム「あーん! もう! どうしてそんなに弱いのよ! 楽しみにしてたのに!」
「私ってどうしてこんなに強いのかな。やっぱり才能かな、テヘヘ!」
「全くもー! よく考えてチーム作らないから簡単に負けちゃうのよ!」

敗戦メッセージ

草薙京「なめて相手するとヤバかったぜ! さすがは大会出場者だな!」
二階堂紅丸「美しいお嬢さん達! この紅丸様を今度こそ応援してくれよ!」
大門五郎「ぬしらの様な者こそ、柔の道に進むべきだ!」
テリー・ボガード「今回も勝たせてもらうよ! 悪いが勝負の世界は厳しいからな!」
アンディ・ボガード「いい調子だ! その感じで鍛えればいいトコまでいくんじゃないか!」
ジョー・ヒガシ「相変わらずいい度胸だが、それだけで勝てるほど甘かねえぜ!」
リョウ・サカザキ「これで納得できただろう! おとなしく家でまってな!」
ロバート・ガルシア「力はかなりついたんとちゃう! 後は勝機を見切れるかどうかやな!」
タクマ・サカザキ「もっと己れを鍛え抜く事だ! さすれば勝機は見えるぞ!」
ハイデルン「この大会は前大会以上に危険だ! この辺でやめておく事だな」
ラルフ・ジョーンズ「格闘にハンデなんて関係ないぜ! 勝った奴が強い奴なんだよ!」
クラーク・スティル「格闘に男女は関係ない。ケガするのが嫌なら帰る事だ」
麻宮アテナ「ケンスウには悪いけど、いつか私もみなさんと一緒に戦いたいな!」
椎拳崇「ごめんなねえちゃん達。アテナの前で不様な格好はでけへんねや!」
鎮元斎「後味の悪いものじゃ! おわびにぬしら酒でも飲むか! おごるぞい!」
不知火舞「その程度の強さと美貌で私たちを語らないでほしいわ! 全く!!」
キング「所詮は真似ごと、本気を出すほどの事もないわね!」
八神庵「オレは相手が女だろうと容赦はせん。…次は殺す!」
ビリー・カーン「女と戦うのは趣味じゃねえが、オレ達の邪魔をするなら話は別だ!」
如月影二「我の前に立ちふさがる者! いかなる者もただではすまんぞ!」
キム・カッファン「なかなかやるな! 女性でも格闘の腕前は一級品といったところだな!」
チャン・コーハン「よう! お嬢さん達! 俺の力に見惚れちまったかい! 照れるぜ!」
チョイ・ボンゲ「鉄の爪があなた方の血を欲しがってるでやんす! ヒッヒッ〜!」
草薙柴舟「力の差は歴然じゃが、その才能を潰すのは惜しいのう!」
ルガール・バーンシュタイン「死んで咲く花もある! お嬢さん方の花はさぞや美しいだろう!」

途中デモ

秘書「ルガール様…。ただ今、キング・不知火舞・ユリサカザキのチームが4回戦出場を決定いたしました。」
ルガール「フッフッフッフッ…気の強いお嬢さんか。今度こそ剥製にして居間に飾ってやろう。ハッハッハッハッ!」

草薙柴舟戦前

「な、何、これ!?」
ユリ「ガス!? な、何で…!」
キング「し、しまった! 罠か! く、くそ…」
ユリ「う、ここは…」
ルガール「お目覚めかね、お嬢さん達」
キング「ルガール!?  生きていたのか!?」
ルガール「フッフッフッ、私は不滅だよ」
ルガール「早速で悪いのだが、間もなく諸君には死んでもらう事になるだろう。これは、私の崇高な趣味の邪魔をし、この私に屈辱を味あわせた君達へのプレゼントだ」
「そんなに私達に懲らしめられたいの!? は〜ん。さては、あなたマゾね!」
ルガール「ハッハッハッ! 面白い事を言うお嬢さんだ! 是非私の手で殺してやりたくなったよ」
ルガール「だが、君達にはまず彼と戦っていただこう」
紫舟「フッフッフッ。お初にお目にかかります。ワシの名は草薙紫舟。どうです、わしと一つお手合わせ願えぬかな?」
ユリ「草薙!? まさか、京さんの…!?」
「洗脳!? そ、そんな!」
キング「く、汚いぞ! ルガール!」
ルガール「ハッハッハッ! 実に心地よい響きだよ。君達を殺した後は、前回の約束通り剥製にしてあげよう! では、行くぞ!」

ラストバトル前

紫舟「フッ、さすがですな。これで生きて汚名をさらしていた私もやっと…」
ルガール「フッフッフッ! ここまでは敵ながらあっぱれ、よくやったと誉めてやる! だが、この新たなる力を手に入れた私を倒す事ができるかな!」
ルガール「オオオオオオオ…」

エンディング

ルガール「クッ、このパワーを持ってしても勝てぬとは……!」
ルガール「!? ……何だ! か、体が…」
ルガール「ば、ばかな…この私がこんな事で…」
ルガール「フフフフ…まあいい、この世界が私を必要とする限り、私は必ず蘇る! …」
ルガール「さらばだお嬢さん達…」
「一体、何がどうなったのかしら!?」

キング「たぶん…、暴走したエネルギーのパワーに、ルガールが耐えられなかったのでしょう」
キング「しかし…、あの邪悪な影は一体…?」
ユリ「う〜ん…まあ、みんな無事だったし」
ユリ「優勝もできたし」
ユリ「それでいいんじゃないの!」
「うん! そうそう」
「明るくぱあ〜っと行きましょうよ」
キング「…そうだね! よし…!」
キング「早速、店に戻ってパーっと行くかい!」
舞・ユリ「やった〜!」

「や〜い! アンディ!」
ユリ「ざまあみろ〜! お兄ちゃん!」
舞・ユリ「キャハハハハハハ!」

キング「はぁ〜…全く。なんなの、この2人は…」

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